介護職員になってステップアップしていく道はさまざまありますが、その介護事業所の責任者になるのもステップアップの一つであると考えられます。
ここでは、在宅系の介護サービスである、訪問介護(ヘルパー)事業所や通所介護(ディサービス)事業所において、その責任者であるサービス提供責任者とはどのような仕事をする人か見ていきたいと思います。
もしもあなたが介護職員として頑張っていきたいのであれば、その通過点としてサービス提供責任者になる事を目指す事も視野にいれてはいかがでしょうか。
仕事に対するモチベーションもずいぶん上がってくるかと思います。
サービス提供責任者の仕事とは
介護サービスでの『サービス提供責任者』とは、介護サービスを利用される方たちに適切な介護サービスを提供するための事業所の責任者であるといえます。
例えば訪問介護事業所のサービス提供責任者であれば、「現場を動かしていく中心者」がその役割であるといえるでしょう。
新規利用者を受け持つことになった場合
まず新規の利用者を受け持つことになった場合は、一番最初にサービス担当責任者が担当のケアマネジャーと同行して利用者宅に訪問し、そのお宅での業務の確認を行います。
その後は、実際にそのお宅で介護業務をするヘルパーを手配し、そのヘルパーと同行訪問し、顔合わせと業務の確認を行います。必要に応じて、ヘルパーに介護方法をレクチャーしたりして、業務を標準的に行えるようにします。
その後、業務が始まれば、ヘルパーからの業務の報告を受け、業務に問題がないか確認し、直接利用者からもモニタリングを行い、業務に満足されているかどうか、利用者の生活状況など問題がないか確認を行います。
そのモニタリング結果については、必ず毎月、担当のケアマネジャーに報告を行ない、新たな計画に繋げていきます。
職員の勤務調整
サービス提供責任者は、介護サービスのために利用者宅に訪問するヘルパーの調整を行います。
サービス提供責任者の人数によって、受け持つことのできる利用者数は決まっているのですが、ヘルパーを効率よく業務に就けるように勤務調整を行います。
またサービス提供責任者は、職員が急に休んでしまった場合には、その職員の代わりに利用者宅にヘルパーとしてお伺いすることもあります。
職員が休んでしまった場合などの時に、介護サービスを中止するわけにはいきません。もしも別のヘルパーで穴埋めができる場合には、その調整を行いますが、どうしても調整がつかない場合には、サービス提供責任者自らが介護サービスのために伺う事にもなります。
職員の教育や相談相手
ヘルパーは通常、利用者宅にひとりでお伺いし、介護業務を行います。
ですので、自分の介護が正しい方法なのか、ヘルパー自身が確認することができません。そのためにサービス提供責任者が中心となって、職員に対する教育を行わねばなりません。
例えば、ヘルパーは訪問する利用者宅に固定で訪問するというわけではなく、前回と次回では違うヘルパーが訪問するといった事も珍しいことではありません。
そこで、ヘルパーの違いで業務に違いが出てしまうと、利用者に対して迷惑をかけることにもなりかねません。ですので介護業務や介護技術については、みんなが正しい方法で、同じようにできなければなりません。
そのためには、定例会議を行ったり、介護技術の講習会を開催したり、必要な技術や知識を学ぶ場を設定したり、ヘルパーが全員集まる会議を開催し、必要な情報を共有することも必要なのです。
またヘルパーは利用者宅にひとりで伺う仕事ですので、そのお宅で悩みが出来てしまった場合には、相談する相手がいません。
ですのでヘルパーの状況を確認し、業務がうまくいっているか、その中で悩みがないかという部分にも目を光らせておかねばなりません。
そのような配慮ができるか、できないかによって、良い介護事業所、悪い介護事業所の差が出てくるからです。
サービス提供責任者になるには
以下条件のいずれかを満たしている方であれば、サービス提供責任者としての業務を行うことができます。
- 介護福祉士、看護師、准看護師、保健師いずれかの資格を取得した方
- 実務者研修を修了した方
- 2013年3月31日までにヘルパー1級を取得した方
- 2013年3月31日までに介護職員基礎研修を修了した方
- 介護職員初任者研修(旧・ホームヘルパー2級)修了+実務経験3年以上を満たしている方
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これからサービス提供者を目指す方は、まず実務者研修を修了するか、介護福祉士の資格を取得するのがいいでしょう。
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