現在介護職員である人の中には、生活相談員になりたいと思っている人は少なくないと思います。
特に特別養護老人ホームやディサービスなどの介護施設で働いている介護職員の方でしたら、身近に生活相談員がおられますので、その業務に接する中で興味をもたれ、将来的に目指されている方も多いのではないでしょうか。
介護職員の中から生活相談員にステップアップされる方がたくさんおられます。
生活相談員としての求人も多くはあるのですが、その介護サービス事業所で働いていた介護職員から生活相談員にした方が、業務や利用者の事をしっかりと把握されているために、人事異動として生活相談員になられる方が多いのではないでしょうか。
では生活相談員になるには、資格はないのでしょうか。どのようにすれば生活相談員になれるのでしょうか。説明をしていきたいと思います。
生活相談員の資格の種類
生活相談員は資格の名称ではありません。
生活相談員になるには、生活相談員としての能力を保持している者であると認められなければなりませんが、社会福祉士法、厚生労働省令により認められた資格を取得しておく必要があります。
- 社会福祉士(国家資格)
- 精神保健福祉士(国家資格)
- 社会福祉主事(任用資格)
生活相談員として活躍するには、上記のの資格取得が必要となります。
都道府県によっては、上記の資格と同等の能力を有しているとして、介護支援専門員や介護福祉士などにおいても認めているところもあります。
ちなみに「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のどの資格においても、経験や研修だけでは取得できる資格ではありません。
そのために生活相談員になるには少しハードルが高くなると認識しておくことが大事です。
もしも目指すという事であれば、専門的知識を身に付けなければならないと理解しておきましょう。
これらの生活相談員の資格を取得するには、大学や短大、専門学校にて科目の履修が必要で、資格によっては国家試験の合格が必要となります。
特に社会福祉士は、合格率20%程度の難関資格であり、大学生が卒業時に受験しても、なかなか合格できないという現状もあるほどです。
科目数が19科目あるという広範囲から出題されるために、相当勉強する必要がある資格になります。
生活相談員になるには
生活相談員として活躍するには、先ほどから申している通り、それほど低いハードルではないという事を認識しておく必要があります。
専門学校や大学などでの単位の履修などが必要になるという事は、やはり専門職としての知識や経験がどうしても必要になると考えておいた方が良いでしょう。
特に生活相談員は、利用者や家族から相談を受けることが最大の業務内容となり、その相談によっては制度上の問題などの知識を問われる場面もあります。
例えば介護保険制度、医療保険、年金制度、成年後見制度、相続など幅広い知識を要しますし、また必要に応じてその法令の専門職(医師や弁護士など)につないでいく役割も期待されている専門職になります。
ですので、介護経験や社会経験というものがとても大きいものになってきます。
なので、まずは介護職員としての経験を積んでいきながら、将来的に生活相談員への登用を狙ってはいかがかと思います。
生活相談員の求人について
生活相談員の求人自体は、介護職員の求人と比べてそれほど多くはない状況になっています。
しかしまったくないというわけではありません。
インターネットでの介護求人サイトに登録することで容易に検索することができます。ただし専門資格を持っていることが絶対条件になるということは理解しておいてください。
先ほども申しましたが、介護施設の中には、もともと介護職員である者の中から人事異動として登用することが多くあります。
介護職員として経験を積む中で、資格も取得し、コミュニケーション能力も長けて、しっかりと業務に就いているという人は将来的に選ばれる可能性も高くあります。
生活相談員の仕事内容とは?
では、生活相談員の役割、仕事内容について見ていきたいと思います。
生活相談員の役割は、「相談援助業務」になります。
特別養護老人ホームやディサービスを利用される利用者やその家族からの相談を受け、生活相談員として利用者の尊厳を護りながら自立を支援し、生活上においての悩みや不安を解消するという役割を持っています。
そもそも生活相談員は、特別養護老人ホームでは利用者100名に対して1名配置、ディサービスであれば1名配置しておかねばならないと定められています。
生活相談員は、利用者や家族からの悩みなどの相談を受けるだけではなく、特別養護老人ホームにおいては入所や退所にかかる手続きを行います。
在宅のケアマネジャーから入所希望されている人の情報を得て、連携を図りながら入所を円滑に行います。
ディサービスにおいては、ケアマネジャーの指示により、在宅におられる高齢者やその家族からの相談を受け、ディサービスへの利用の受け入れが円滑に行われるように調整したり、ディサービスの利用中での様子などの報告などを行います。
またサービスに対する苦情などの受け付けも行い、サービスを改善する窓口としての役割も行います。
生活相談員としての業務はたいへん幅が広く、利用者に対して直接介護業務を行うものではなく、介護施設と利用者や家族を結びつけるためのパイプ役であると言えるでしょう。
利用者の生活自体をよくするためにはどうすれば良いかという高い意識も必要となります。
生活相談員の実際のところ
例えばディサービスにおいて言えば、生活相談員と責任者を兼務されているという方が少なくありません。
ディサービスをひとつ任されるくらいのスキルのある方が、始めて生活相談員業務ができるものであるという事が言えるでしょう。
それだけに生活相談員を目指すということは、とても意味や意義のある事ではないかと思います。
将来的にはケアマネジャーにも直結する業務でありますので、介護職員からのステップアップ、キャリアアップとして生活相談員をまずは目標にして頑張ってみてもいいかと思います。
「介護の生活相談員の資格と仕事」まとめ
いかがでしたでしょうか。
生活相談員は「相談援助業務」のプロとも言えるお仕事になります。
相談援助業務というのは、コミュニケーション能力に長けていて、カウンセリングマインドを理解して始めて成り立つ業務になります。
介護業務とはまた一味も二味も違う業務になりますので、「いつかは利用者や家族からの相談に乗ってみたい」「サービス調整など専門業務を行ってみたい」という方にとっては目標となる業務であろうと思います。
また、今は専業主婦でも、再就職するときに少しでも採用に有利にしたいと介護の資格取得を考えている方にもおすすめです!
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